



[ 科名・植性 ] ナス科ハシリドコロ属の多年草
[ 花期・草丈 ] 4〜5月 30〜60cm
[分布・生育地] 本州〜九州の沢沿いの水辺/山間の日陰
■春の森に潜む、走り回る毒草
ハシリドコロはナス科の多年草で、日本の本州から九州に分布し、湿った木陰に群生する。春に暗紫紅色の釣鐘状の花を咲かせ、夏には地上部が枯れる。全草にトロパンアルカロイド類の強い毒を含み、特に根茎の毒性が強い。誤食すると幻覚、興奮、嘔吐、呼吸困難などの症状を引き起こし、多食すると死に至ることもある。江戸時代にシーボルトが薬効を見出し、成分を利用した「ロートコン」は鎮痛・鎮痙薬として用いられる。新芽がフキノトウなどと酷似し、春の山菜採りで誤食の危険があるため注意が必要。