学名:Amana edulis)は
単子葉植物ユリ科アマナ属の多年草。
▼特徴
チューリップによく似ており、かつてはTulipa edulisとしてチューリップ属に入れられていた。
名前は球根が甘く食用できるところから。別名ムギクワイと言い、これは球根の形をクワイになぞらえたもの。調理法もクワイと同様である
春の花の中でも特に早く咲くもののひとつである。新春に葉を伸ばし、それから花が咲くと、葉は夏頃まで残る。
周囲の草丈が高くなると埋もれてしまう。いわゆるスプリング・エフェメラルの型に入る植物である。
生育環境
日向の草地に生える。やや湿ったところに多い。背丈の高い草地には生えないため、実際には春先に草刈りや野焼きの行われるような、里山的環境に見られることが多い。
水田の畦や河川の堤防などに生育地が多かったが、現在ではそのような環境は大きく変化しており、見られる場所は少なくなっている。
本州東北地方南部以南、四国、九州、奄美大島に分布し、国外では朝鮮、中国東北部から知られている。
食用にされたこともあるが、現在では利用されない。また、山茲姑(さんじこう)の名で薬用とされることもあるらしい。
滋養強壮の効果があるとのこと。ちなみに野菜のフダンソウの別名にもアマナがあり、また、アマドコロのことをアマナということもあるらしい。
小さいながらも可憐な姿は山野草としての鑑賞価値があるが、栽培は易しくない。
親株がストロンを伸ばし、離れた場所で新球根が生長するため発芽位置の移動が激しく、花壇などに植える場合には植物の大きさと不釣り合いに広い栽培スペースが必要になる。
(狭い場所だと、他の植物の陰に入り込むなどして衰退してしまう。)