[和 名] 曼珠沙華 まんじゅしゃげ
[学 名] Lycoris radiata
[科名.属名] ひがんばな科 ひがんばな属
[花 期] 9月
[草 丈] 30 – 50cm
[特 徴] 多年草
[生育場所] 田畑の周辺や堤防、墓地
[分 布] 北海道から南西諸島
彼岸花の別名「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」は、サンスクリット語で天界に咲く花という意味。おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典から来ています。サンスクリット語ではmanjusakaと書きます。
開花期間が1週間ほどなのに、秋の彼岸と時を同じくするかのように開花する彼岸花は、あの世とこの世が最も通じやすい時期に咲く花でもあります。
お彼岸に咲き、土葬をモグラや野ネズミなどから守るため、墓地などによく植えられていることから、「死人花(しびとばな)」「地獄花(じごくばな)」「幽霊花(ゆうれいばな)」のようなちょっと怖い呼び名もついています。
彼岸花にはアルカロイドという毒があるため、「毒花(どくばな)」「痺れ花(しびればな)」などと呼ばれています。
その反面、でんぷんを多く含んでいるため食用可能で、毒は水にさらすと抜けるため、昔は飢餓に苦しい時に毒を抜いて食用にすることもあったそうです。田んぼの畦道に彼岸花が多いのは、その毒でモグラや野ネズミを防除するためだけではなく、飢饉に備えて植えたという説もあり、危険を覚悟してまで口にしなければならなかった昔の苦労がしのばれます。
呼び名だけでもかなり妖しい雰囲気が漂いますが、その生長ぶりがさらにアヤシイ。まるで生長サイクルが逆なのでご紹介します。
彼岸花には、すーっと伸びた茎に鮮やかな花だけがついていて、葉っぱがまったく見あたりません。これも妖しく見える原因のひとつですが、実は、花が終わってから葉が出てくるのです。しかも、普通の植物とは逆のサイクルで!