アブラナ科ワサビ属の植物。日本原産。
▼特徴
強い刺激性のある独特の香味を持ち、日本原産の香辛料として、以前から欧米や東南アジアで認知度の高まりを見せているが、
東欧では自産のセイヨウワサビが伝統的に出回っている[要出典]。また日本においても、家庭用練りワサビにはセイヨウワサビを本種と混ぜ合わせたものが多い。
ワサビは日本原産の多年草である。なおセイヨウワサビ(ホースラディッシュ、ワサビダイコン、(蝦夷)山ワサビなど)は同じアブラナ科のセイヨウワサビ属
(Armoracia rusticana)で東欧出身の従姉妹にあたるが、繊細なワサビと違ってかなり逞しく、北海道では完全に帰化し野生化している(そして広く食されている)。
ワサビを使った食材は日本を代表する「独特の刺激」のある香辛料になる。他にも名前にワサビと付く植物が多いので「本わさび」と表記することもある。独特な辛味と同時に甘味も含んでいて、他には無い調味料(どちらかというと薬味)である。
肥大した根茎をすりおろして薬味にする。特に、寿司のシャリと具の間に挟んだり(考案したのは江戸の華屋与兵衛とされる。揮発性成分を逃がさないようにする効果がある)、刺身やそばの薬味にすることが多い。余談だが、寿司通のひとは「なみだ」という。子供向けやワサビが苦手な人のために「サビ抜き」の寿司が用意されていることも一般的である。
ワサビを食べると鼻がツーンと刺激され、時に耐えがたいほどになる。バラエティー番組などの罰ゲームでよく使われ、例えば鼻の下にワサビを塗る「鼻ワサビ」だとか、食べ物のどれかにワサビてんこ盛りのものが混じっていたりする、ロシアンルーレット的なものが定番である。
おろしてから10分ほどで辛味も香味も失われてしまうので、使用する分だけすりおろし、すりおろしたらすぐに食べるのがよい。ワサビは金物を嫌う(金具によって香味や辛味を損なう)というので、高級品だが表面の粒子が細かい鮫皮またはエイ皮のおろし器を用いるのがよい。すりおろす時には頭(茎に近い方)からすりおろす。